N50発達障害男子の中学受験、からの中高一貫校生活

発達凸凹、高IQでも偏差値は50。2023年中受終了した男子の生態を綴るブログです。

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serial experiments lain 考察の考察で親子愛と友情を考える

前回の続き。

連日serial experiments lainの感想を書いてきました。これだけでどれだけ私がlainという作品に取りつかれてしまったのかがお分かりになるかと思います。

 

1998年に発表されたこの作品。98年と言えばまだ2ちゃんねるはなく(前身のあめぞうはあった)、もちろんTwitterなどのSNSもなく、Excelにはまだイルカがいた時代。その時代にネットの怖さやAIの進化を予見していたのもさることながら、「存在」という普遍的なものを哲学的に考えさせられた深い作品でした。

やれデカルトだカントだなんだと書いてきて、考えれば考えるほど思考が変な方に向かって行って、心理学と哲学と宗教って紙一重だよなあ…とか思い始めたりして、これちょっと病み始めてない?とか自分自身がちょっと心配になったりもしたのですが。

いろいろな考察サイトを巡って、自分なりにlainについての考察を完結させることができたので、まとめたいと思います。

 

さて、開発陣はゲーム版とアニメ版は別物だと仰られていたようですが。

ネットの海でとある考察を見て、私はその説をおおいに支持したいと思いました。

 

その説とは…

 

ゲーム版でワイヤード上の存在となったレイン

=アニメ版でワイヤード上に遍在していたレイン説。

 

それを踏まえて、以下、私の感想です。

 

ゲーム版で肉体不要説を唱え体を捨てたレインは、皮肉なことに同じ思想を持つ英利に改めて肉体を与えられました。時間軸は不明ですが、ゲーム版とアニメ版で同じ「橘総研」という企業が存在していること、そしてワイヤード上のレインはいくらでも情報を操作できること(レインが人類が通信手段を手に入れる前から存在していたとかワイヤード上のおとぎ話化していたのも操作の結果と考えられる)から、ゲーム版レインがワイヤード上に移行してから実はそんなに時間が経っていないのかもしれません。

さて、アニメ版レインはゲーム版では失ってしまった家族や友人を持った状態からリアルワールド上での人生をスタートします。

この生活はゲーム版レインが望んでも手に入れられないものでしたが、アニメ版レインはゲーム版レインと同じ存在であったにもかかわらず、この肉体を得た新たな人生で、偽りではあったものの最後まで自分を気にかけてくれる父親という存在と、唯一無二の親友アリスという存在を手にします。

 

これが大きな違いでした。

 

ゲーム版レインはずっと孤独でした。AIお父さんを自ら産み出してしまうくらいに。ワイヤードに連れていったトウコも、心からレインを愛する存在ではありませんでした。

しかし、アニメ版レインはゲーム版で渇望していた「愛」を最後に手に入れたのです。

 

ワイヤードはリアルワールドの上位階層だと英利は言いましたが、生身の肉体を失ってからしか行けないその場所はある意味「あの世」と同一でもあります。

ゲーム版レインはリアルワールドに存在する(生きる)意味を見失いワイヤード(あの世)へ行った。だってこの世は誰もレインを好きになってくれないし、側にいてくれない世界だったから。だから唯一(仕事としてだけれど)向き合ってくれたトウコに執着し、一人じゃ寂しいからトウコを道連れにした。

逆にアニメ版レインはもともと存在したあの世から再度この世に連れてこられた。この世をあの世と同一化しかけた時に「みんなレインを好きになりましょう」とテレビでキャスターに言わせたりしていた。(それは愛に飢えていたゲーム版レインの記録がそうさせたのでしょうか?)

でもそんなことをしなくても、最終的にリアルワールドにはちゃんとレインのことを好きな人がいるということに気が付くことができた。アリスのおかげで。

そんな大切な存在をこの世に残しておきたくて、この世とあの世を繋いでしまう存在である自分をリセットした。それが愛する人たちから自分の「記録」を消すことであっても。

 

…こう考えると、とっても良く作られたストーリーだなって思います。

 

1998年当時に見ていたらきっとそこまで気づけなかったと思います。そして2024年時点の中学生の親として思ったことは、いくら天才児でも中学生に必要なのは「親からの愛情」と「友情」なんだな、と…。

ゲーム版レインが愛情に囲まれていたら、きっとワイヤード上で生きよう!という思想にはきっとならなかったと思うのです。そして、ゲーム版のみしか知らなければ、serial experiments lainが鬱作品だと思ってしまうのは仕方ないですね。

でもこのserial experiments lain(レインについての一連の実験)というタイトルが表しているように、ゲーム版とアニメ版は「一連」なんだと思います。

 

まあ、私はゲーム版とアニメ版しか知らないので、雑誌連載版とかその他出ている画集や資料集に書かれている内容は知らないままこの考察を書いています。

でもきっと、この考察通りだったんだろうと確信することで、全4回に渡り書いてきたlainの記事を締めたいと思います。

 

【余談】

昨年の2023年9月にこんなのやってたんですね…!時代がlainに追いついたって感じですね。

jp.serialexperimentslain.io

 

ちなみにこちらの音声プラットフォームに使用されているCoeFont、実は私もいつか仕事に利用してみようかなと自分の声を音声登録しているのですが(公開はしていません)本当にすごいです。coefont.cloud

コンテストへの応募もあって1,000文ほど読み上げて登録したのですが、ところどころイントネーションがおかしいところもやっぱりあって、実際にはなかなか利用できていません…

(zoom利用でのプレゼンとかこれで音声入力してやったら楽ちんだろうなーって思ってたんですけど、そううまくはいかないですね)

 

以上、長々お付き合いいただきありがとうございました。次回よりこのブログも通常運転に戻ります。

 

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