N50発達障害男子の中学受験、からの中高一貫校生活

発達凸凹、高IQでも偏差値は50。2023年中受終了した男子の生態を綴るブログです。

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【6年生】通級と『アルジャーノンに花束を』

12月、年内残す週末もあとわずかですね…ということで大掃除に着手しました。
息子の小学校の卒業アルバムももう頻繁には見返さないな、と卒アルを格納していた棚周りの片付けをしていると、小学校卒業の際にいただいた6年生の時の通級の連絡帳が出てきました。

思わず読みふける。(大掃除あるある)


通級の先生は毎回の授業でのことを事細かに書いてくださっているのですが、普通級の担任の先生も毎回一言コメントを寄せてくれていました。
以下は普通級担任の先生のコメントです。

 

6月某日:
まだ自主的にノートを取ることがないので支援していきたいと思います。

この頃もノートが取れていませんでした。そして結局中学生の今もノート取れていません。

 

6月某日:
週末は疲れが溜まっているようです。スイッチがオフの時は無理をさせ過ぎず少し様子を見ながら支援していきます。

6年になって塾の日数も増えて疲れていました。本当に息子をよく見てくださっている。

 

7月某日:
夏休み用の図書を借りました。かなり厚い本を選んでいてすごいなと思いました。

なんとこの時、息子が借りてきた本は『アルジャーノンに花束を』のハードカバーでした。


あまり本を読まない息子、おしりたんていやかいけつゾロリ、銭天堂は通ってきていますが特に絵が描いていない児童書・小説はあまり読みたがらず。
しかし学校の図書室で『ねずみの騎士デスペローの物語』という本に出会ってから、なぜかねずみの出てくる本を読みたがるようになりました。


今回も表紙にねずみの絵が描いてあったから、という理由のみで借りてきたようです。

古い版のだったようでこんな感じの表紙でした。確かにねずみの絵がかわいい。


せっかくだから中学受験頻出小説とか読めばいいのに…と思いつつ、人が薦めた本は絶対読まないので仕方ない。

 

この『アルジャーノンに花束を』ですが、有名で過去に日本でもドラマ化されており、私も話の内容自体はざっくりと知っていましたが実際に本では読んでいませんでした。
息子が「読みづらい、難しい」と言いながら読むのに苦戦しているようだったので、私も読んでみようかなと軽い気持ちで読んでみたのですが、

 

すごい本でした。
というか、文章で表現する技術ってすごい。

 

ご存知でない方のために。
この本は『知的障害のある主人公・チャーリイの書いた記録』という設定のため、幼児が描く文章として『てにおは』が変だったり誤字も満載です。(本来「ぼくは」と書くところ「ぼくわ」になっていたりなど)
このチャーリィの知能が向上するに従い、日記と言う形で書かれる文章も徐々に知的な文章に変化していきます。
知能が上がりきる頃には逆に漢字だらけで複雑な構成になりこれまた読み込むのが難しい文章に。

 

息子が読みづらいと言っていたのは、誤字脱字をそのまま本人の日記と言う形で書いているからだったのですね。
なので途中スムーズに読み進められるところと、目が滑って読めないところとで大分負担感が違ったのだろうと思います。

 

しかし、その読みづらさを超越するほど先が気になり、途中、息子や自分を重ねることもありながらグイグイと読み進めてしまう。
そして、最後は自分でもびっくりするくらい涙が止まりませんでした。

 

 

私は、どうして息子に勉強をさせなきゃいけないんだろう。
「普通じゃない子を普通の子にしたい」主人公の母と変わらないのでは。
息子には知的障害はないけれど、やはり通級に通っていることで「発達に障害がある」から「普通ではない」という認識はあるし、ちょっかいを出されるいじられタイプ。
その環境から抜け出したいということもあり、中学受験の道に進んでいるけれど。

その道へ進むためには勉強だってやらなきゃいけないだけなんだけど。

息子は、これを読んで何を感じただろう。

 

読了した息子にちょっと聞いてみましたが「読むのが難しかった」としか返してくれませんでした。